2023年5月18日、Be Brave Japan が主催し、一般社団法人Spring・国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン の協力で、『G7における性犯罪の公訴時効等に関するオンラインイベント』が開催されました。
サミット首脳会談に合わせて、G7各国の性犯罪に関する公訴時効の比較を通じて、日本の公訴時効のあり方を見直すことを目的として企画されました。
イベントでは大きく4つのテーマが話されました。
①G7各国の公訴時効の概要(Be Brave Japan)
②日本の公訴時効とその問題(Spring)
③公訴時効を撤廃・停止・延長した国のサバイバーによる説明
④質疑応答
③では、性犯罪の公訴時効がない イギリスとカナダのサバイバーが登壇されました。
イギリスのサバイバーは、性暴力の実態等について話され、日本と共通する点も多くありました。
・複数の実証的研究では、多くの被害申告は何十年もかかると示されている。(中には、調査対象者の5割が50歳を過ぎてから申告したというものも)
・性犯罪者は他の犯罪と違って、生涯犯罪を起こし続ける。(そのため、児童保護の観点からも時効がないと危ない)
・被害者の一人が声を上げると、その他の事件の証拠が出てくることも多い。
・加害者が他者にとって危険だから、それを防ぎ改善されていくことを目的として、民事ではなく刑事告訴する被害者が多くいる。
カナダのサバイバーは、公訴時効がないことの意義等について話されました。
公訴時効がないことは、サバイバーに力を戻すことに繋がっている。
罰則という限定的な正義でなく、被害者が自分のタイムラインで変容できるという正義を実現している。
被害者が法体系に従うのではなく、癒やしや法的プロセスを被害者自らが選ぶことができるということ。
本イベントは、性犯罪の公訴時効が存在しないカナダとイギリスの事例を通じ、被害者の権利保護という視点にたった法律のあり方、司法プロセスの重要性を再認識する貴重な機会となりました。
今後も、被害者の声を反映させる仕組みや、ビクティムファーストの立場に立った社会制度の実現について、諸外国と情報交換を行っていければ幸いです。
なお、Springが発表した ②日本の公訴時効とその問題 については、 要望書で指摘している内容ですので、そちらを御覧ください。