2025年2月13日、警察庁主催「第9回子供の性被害防止セミナー」に出席し、子どもへの性加害を防ぐための世界的な動きや捜査機関の連携について学び、その後、関係者の皆さまとネットワーキングを通して意見交換をさせていただきました。
セミナーの冒頭挨拶では、警察庁生活安全局長より
「児童ポルノ製造、児童買春など子供を対象とした性犯罪はきわめて悪質な人権侵害行為。各国共通の課題。SNSの被害者数は高い数値で推移。インターネットで知り合った者に海外に誘い出されるケースまである。グローバルな対応が不可欠。G7でも児童の性的搾取対策が盛り込まれた。日本でも子供に対する強い影響力を利用した事犯だけでなくグルーミング行為も取り締まっていきたい。」
とご挨拶がありました。
続いて、児童を取り巻く被害実態や捜査の実例をまじえた各国の報告などがありました。
講演1:「日本における性的搾取事犯等の現状について」
/警察庁人身安全・少年課保護対策室長 前澤綾子 氏
講演2:子どもが守られる未来へ~最近の性的グルーミングの傾向について」
ユーロポールEC3(European Cyber Crime Center)児童保護戦略統括官
/アントン・トニー・クランチュニック 氏
講演3:「グルーミングと児童搾取の傾向」
/米国国土安全保障捜査局(HSI/ICE) 代表 トニー・トラン 氏
講演4:検挙事例発表(性的グルーミング事案について)
/ 警視庁生活安全部少年育成課 福田警部
講演5:子どもへの性加害―性的グルーミングとは何か
/西川口榎本クリニック副院⾧ 斉藤章佳 氏
世界的に、様々な方法による子どもへの性的グルーミング・子どもへの性加害が大問題であり対応が急務であること。犯罪の背景の1つには、児童性的搾取(あらゆる児童性的虐待コンテンツ(CSAM)の作成・配信・提供、インターネットで画像、動画配信、ライブストリーミング、児童への性的強要・脅迫、性表現が露骨な自撮りコンテンツ)があったり、インターネットという性質上、事案は複雑な捜査になることが多いことを伺いました。
特に、近年、日本でも「セクストーション(性的な画像・動画を用いて脅迫する行為)」が大きな問題になってきており、その対応には現在の制度では限界があることも、Springがおこなった被害者支援団体へのヒアリングで明らかになりました。
そんな中、緻密なデータ分析、国を超えて連携することで加害者の逃げ場をなくし逮捕に繋げる動きがあることに、大変心強さを感じました。
この日は、オンラインとのハイブリッド開催だったため、10カ国以上、200名以上の方が参加されたそうです。
今年も、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
これからも、子どもへの性暴力撲滅に向けて、共に歩んでくださると嬉しいです。