【イベント登壇】国際女性デー記念!国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ主催イベントに登壇しました

2026/03/22

2026年3月3日(火)、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)様よりご依頼をいただき、「国際女性デー記念イベント「刑法は変わったけど社会は変わったのか?~私たちの声」に、共同代表 早乙女祥子が登壇させていただきました。

本イベントは、2023年の刑法改正を受け、「性的同意」が尊重される社会へと実際に変化しているのかをテーマに、各分野で活動する登壇者によるリレートークおよびパネルディスカッションがオンラインで開催されたものです。200名以上のお申し込みがあったそうで、関心の高さがうかがえます。

(なお、参加申込者には、HRN様よりPeatixを通じて、すでに3月10日にアーカイブ限定配信のリンクが送られておりますので、ご確認ください。)

 

 

まずはじめに、HRN 中山弁護士より改正刑法の概要説明がありました。
続くリレートークでは、以下の発表が行われました。

(発表順)

▼ 早乙女 祥子(一般社団法人Spring共同代表)
テーマ「2028年再改正に向けたSpringの取り組みと、私たちが目指す社会」

附則①性的同意とYes Means Yes型刑法について

「同意誤信」による無罪判決の問題

附則②公訴時効のさらなる見直し

「性的な被害を申告することの困難さ」に関して、国が主導して実証性の高い実態調査実施が必要

被害の実態・被害者者心理について

海外の性犯罪・公訴時効と実態調査の紹介

「個人の問題」から「社会構造の問題」へ

2028年の見直し開始や「ヴィクティム・ファースト(被害者中心主義)の社会」を実現するには、「性的同意」を社会通念にすること、国が実証性の高い性被害実態調査をすること、当事者の声をきく為の制度化が不可欠である

▼ 松田七海氏(ジョイセフI LADY. ピア・アクティビスト)
テーマ「性行為の同意に関するアクション」

大学等での包括的性教育の普及活動やメディア発信について紹介

法改正を知らない大学生も多い

法改正後、社会の雰囲気の変化を感じる人が増えた一方で、「同意」の理解は依然として曖昧であり、教育とのギャップが指摘されました

 

▼ 中村果南子氏(ちゃぶ台返し女子アクション メンバー)
テーマ「性的同意・第三者介入を広めるためのアクションに関する報告」

大学生とともに性的同意ワークブックを制作し、ワークショップを展開

日常にある暴力を防ぐための「避難訓練」として、バウンダリーや第三者介入の重要性が共有されました

 

▼ 池田鮎美氏(「性犯罪被害者から見た捜査・裁判の問題点に関する実態調査アンケートチーム」メンバー)
テーマ「性犯罪被害者から見た捜査・裁判の問題点に関する実態調査アンケート(速報値)」

大阪地検元検事正による性暴力事件の被害者ひかりさん、弁護団、支援者らとともにチームを結成

「刑事手続きの適正化、二次加害の防止」が重要

2025年10月22日~12月31日にアンケート実施し607名の回答がありそれを集計・分析内容(速報値)の報告

被害者が勇気を出して訴えでても、捜査機関で二次加害がおこれば声を上げることは難しい

 

▼ 佐々木真奈美氏(報道キャスター/スピークプラス代表)
テーマ「メディア業界における変化と課題」

ハラスメント規定の整備など一定の変化が見られる一方、業界構造の課題や被害を声にしにくい現状が指摘されました

組織・採用等で透明性を保つなど解決のための一歩が必要

 

▼ 周藤由美子氏(性暴力禁止法をつくろうネットワーク共同代表)
テーマ「被害者支援現場の実態」

相談件数の増加や被害認識の変化がある一方で、支援体制の逼迫や立件の難しさ、証拠保全・時効の課題など、現場の実態が共有されました

性加害報道が増えたことでフラッシュバックをする方、「あれは被害だった」と認識されたり、男性からの相談も増えた

自分の被害をAIに相談すると「#8891(はやくワンストップ)」を案内され相談がくるケースも増えた

ワンストップセンターを支援してもらう根拠法の整備が必要



その後、「今後、どんなアクションが効果的なのか?」という視点で、下記のリーディングクエスチョンへの回答、自由闊達なパネルディスカッション・質疑応答が行われました。


Springからは、Q1,Q2についてお答えしました。

  • Q1. 性的同意が尊重される社会に必要な変化は?

この図は一例ですが、性的同意を「特別なこと」ではなく「当たり前」にするためには、多方面からの取り組みが必要です。中でも特に重要なのが、「教育」と「組織のトップの意識改革」です。

まず教育が変わらなければ、同意を確認する文化は根付きません。同意を無視することは刑法に触れる行為であるという認識を、子どもの頃から社会の常識として育てる必要があります。
同時に、企業やメディア、芸能界、官公庁などのトップが人権侵害に寛容であれば、社会は変わりません。トップ層が性的同意を正しく理解し、明確な姿勢を示すことが不可欠です。詳しくは、AERAのインタビュー記事をご参照ください。

そして大きな影響を及ぼすのが、家庭での会話や価値観、メディアの報道、そして漫画やドラマなどのコンテンツです。日常の中で繰り返し発信されるメッセージこそが、社会通念をつくります。

教育、リーダーの意識、そして日常文化。この三つが変わることで、社会は確実に前に進むと信じています。


 

  • Q2.これまでの活動や経験の中で、「性暴力」や「性的同意」についての理解を広げるうえで、特に効果的だった取り組みや出来事は?

一つ目は、国会議員へのロビイングの力はとても大きかったと思っています。ワンツー議連という性暴力をなくすための議員連盟が設立され、その議連がイニシアチブを発揮して、「生命の安全教育」が導入され、その啓発資料のなかに「同意のない性行為は性暴力である」というメッセージが記載されています。さらには今般「性的同意」を明記し学習指導要領に盛り込む方針という報道が出るところまですすみました。国会議員の方々に直接性被害の実態を伝え認識を共有するロビイングは、直接施策を変えることにつながり、社会を変える上でとても重要だったと思っています

二つ目は、多くの当事者が声を届けてくださったSpringの実態調査や、NHKの大規模実態調査で、メディアと連携しエビデンスを社会に提示できたことです。数字が出たことで、感情論ではなく政策課題として議論されるようになりました。

また、2017年改正以降、メディアでの性暴力報道が増えたことは評価できますし、2028年に向けて世論を喚起・形成するにはメディアの方々のお力は非常に重要です。

三つ目は、フラワーデモやHRNさんなどと連携したオンライン署名等、一人一人の声を可視化したこと。14万筆以上の規模の署名が集まり、「これは一部の人の問題ではない」ということが伝わり、法改正に繋がりました。同じ志を持つ個人・多くの市民団体が連帯して大きなうねりを作ることでできました。

当事者の声とデータ、そして社会発信が重なったとき、大きな変化が生まれると実感しています。

 

  •  Q3.今後、刑法改正の意義を社会の現実の変化につなげていくために、今必要なアクションは?

昨今、相手から明確な同意を得ていない性行為について、「同意があると思っていた(=同意誤信)」として加害者が無罪となる事例など、「同意のない性行為は処罰対象となる」という改正刑法の趣旨が著しく損なわれていると思わざるを得ない判決が見られるほか、性暴力・性犯罪に関する報道に日々触れ、胸を痛めています。

そのたびに、「性的同意を社会の常識にするには、まだ時間がかかる」と痛感させられます。同時に、司法関係者における性暴力や被害者心理への理解の遅れは、依然として重大な課題であると考えています。

私たちは、これらの問題を要望書に明記し、関係各所に対して提出・提言していきます。

 

そして、イベントでもお話ししましたが、とても重要な点として改めてお伝えします。
今回のイベントでは、「性的同意」や性に関する話題を、どのように日常の中で積極的に周囲と共有していくかについても議論が行われました。


私たち当事者団体としては、声を上げられない人々の「見えない声」「聞こえない声」にも、丁寧に向き合っていく必要があると考えています。

活動の中で、「自分には何もできていない」と声をかけてくださる方もいらっしゃいます。

しかし、このようなイベントに参加すること自体が、社会を変えていく大切な一歩であると私たちは考えています。

それぞれのペースや方法で、共に未来を切り拓いていければ幸いです。



Springでは今後も、次回の法改正に向けて、

「性的同意に関する社会通念の形成」

「公訴時効の見直しに向けた実証性の高い被害実態調査の実施」

を求め、引き続き提言と発信を行ってまいります。


イベントにご参加いただいた皆さま、主催の皆さまに心より御礼申し上げます。

※当日は、テクニカルトラブルがあり、ご参加のみなさまにはご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。最新のスライド資料は、HRN様がお送りしたPeatixのメッセージよりダウンロードいただけます。

  

▶︎主催団体が3月末まで実施中!
【アンケート調査】「刑法は変わったけど社会は変わったのか?」 あなたの声を聞かせてください https://hrn.or.jp/news/28804/

▶︎参考記事:「同意誤信」による性暴力はなくせるか SDGsジャパンと考える~危機突破のカギ

 

最新情報一覧はコチラ

  • 【イベント登壇】国際女性デー記念!国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ主催イベントに登壇しました

    2026/03/22

    2026年3月3日(火)、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)様よりご依頼をいただき、「国際女性デー記念イベント「刑法は変わったけど社会は変わったのか?~私たちの声」に、共同代表 早乙女祥子が登壇させていただき…read more

  • 【ロビイング】2025年秋冬ロビイングのご報告

    2026/03/18

    春寒の折、いかがお過ごしでしょうか。国会が始まり、Springも気持ちを新たに活動を続けています。 時間が空いてしまいましたが、昨年秋冬のロビイングをご報告します。   長年、刑法性犯罪改正に尽力されてきた寺田学衆議院議…read more

  • 【講師活動】にいがた被害者支援センターの研修にて講義をしました

    2026/03/11

    2025年10月28日(火)、にいがた被害者支援センターの研修の一環として講義を行いました。   信濃川のすぐ隣にある「にいがた被害者支援センター」は、新潟県から「性暴力被害者支援センターにいがた」の事業委託を受け、性暴…read more

  • 【講師活動】フジテレビの対話企画にて講演をしました

    2026/03/07

    2025年11月19日(水)、株式会社フジテレビジョン様の対話企画にて講演をさせていただきました。 様々な部署から約30名の方にご参加いただきました。ご参加くださった皆様、お忙しいところありがとうございました。   講演…read more