無罪判決は現在の法律・運用の問題。 ー あなたは悪くない ー

2019/04/26

性被害を訴えた方々へ

一般社団法人 Spring代表理事 山本潤です。
今年3月、性犯罪事件の無罪判決が相次ぎました。

<裁判概要>

・2019年3月12日、福岡地方裁判所久留米支部[5]は、女性が飲食店で深酔いして抵抗できない状況にある中、性的暴行をし、準強姦罪に問われた福岡市内の会社役員男性に対し、「女性はテキーラなどを数回一気飲みさせられ、嘔吐しても眠り込んでおり、抵抗できない状態だった」と認定したが、女性が目を開けたり、何度か声を出したりしたことから、「女性が許容している、と被告が誤認してしまうような状況にあった」「女性が拒否できない状態であったことは認められるが、被告がそのことを認識していたと認められない」として、無罪と判断しました。

→3月26日に検察側が控訴。

・2019年3月19日、静岡地方裁判所浜松支部[6]は、女性に対する強制性交等致傷罪に問われたメキシコ人男性に対し、被告人の暴行が被害者の反応を著しく困難にする程度であったことは認めましたが、被害者が「頭が真っ白になった」などと供述したことから、女性が抵抗できなかったのは精神的な理由によると認定し、「被告からみて明らかにそれとわかる形での抵抗はなかった」として、無罪と判断しました。

→検察は控訴せず無罪確定。

・2019年3月26日、名古屋地方裁判所岡崎支部[1]は、中学2年から長女(19)への性的虐待を行っていた父親の2017年8月と9月の性交に対して、長女が「性交に同意していなかったこと」を認めましたが、性交を拒んだ際に受けた暴力は恐怖心を招くようなものでなく、従わざるを得ないような強い支配、従属関係にあったとまでは言い難いとし、「被害者が抗拒不能の状態だったと認定することはできない」として無罪と判断しました。

→4月8日に検察側が控訴。

・2019年3月28日、12歳長女に対する約2年間にわたる、週3回の頻度で性行為を強要されていたと検察側が主張し強姦などで起訴された男性について、静岡地方裁判所は「唯一の直接証拠である被害者の証言は信用できない」と無罪としました。

理由として、長女が児童相談所職員に毎週金曜日に性交されていると証言していたが、証人尋問では金曜日じゃなくなったなどと証言し、被害の頻度や曜日について供述が変遷しているので、検察官の主張は採用できないと結論づけました。

→4月10日までに検察側が控訴。

 

久留米でも、浜松でも、岡崎でも、性交に同意していなかったことは認めても加害者が誤解したから(久留米、浜松)、抵抗できないほどの抗拒不能の状態ではなかったから(岡崎)、有罪になりませんでした。静岡でも12歳の少女が一貫した供述ができなかったからと、無罪になりました。

私は今、とても苦しく辛い思いでいます。
そして、私は同じように性被害を受けた者として、被害を訴えた方々、そしてこの判決をおかしいと思ってくれた人に次のことをお伝えしたいと思っています。
今の法律、そして運用が間違っているのであって、あなたに責任はないことを。

同意のない性交は暴力であり犯罪だということを。

そしてこの問題を解決するために、本当に微力だけど、今の刑法性犯罪改正を求めて私たちは活動しています。

2017年7月7日Springを設立した時、私たちは以下の思いを記しました。

 

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自分の意思に反して性的なことをされるのが、性暴力、です。
見知らぬ人から触られたり、襲われたら性暴力です。

夫、妻、彼氏、彼女、親、きょうだい、親族、友人、先生、指導者、上司、先輩に無理やり触られたり、性行為をさせられたら性暴力です。

もし、あなたが性的なことで傷ついていたら、それは性暴力。あなたは悪くない。
もし、あなたの大事な人が、性的なことで傷ついていたら、それは性暴力。その人は悪くない。
もし、周りに誰もそんな人がいないとしても、「あなたが悪い」「汚れた」と言われるのではと思い沈黙している人が すぐ横にいることにおもいを馳せて。

責任は加害者にあります。
だけれど性暴力に無自覚な人、人を支配して自分の力を感じたい人を生み出す社会を作っているのは、私たちです。

私たちは、そんな現状を変えたいと思い性暴力に立ち向かう人です。
私たちは被害者、サバイバー、また大事な人を守りたい人です。

声を上げるのは怖いことです。
まず、自分や大事な人の被害を受け入れ、人生を歩まなければなりません。
そして、声を上げられるほどに傷つきから回復しなければなりません。
そのプロセスは10年、20年、何10年とかかります。

私たちは声を上げたいと思った性暴力被害者、サバイバーが声を上げられる場が必要だと思い、この組織を立ち上げました。

声を上げることで、社会や政治は確実に変わっていきます。
私たちは110年ぶりの刑法性犯罪改正に際し声を上げ、高くて遠いと思っていた政治の壁が、 実は人の温かい気持ちで作られているところがあることを知りました。

あなたが声を上げたい、と思ったら、私たちにいつでも加わって下さい。

私たちはいつもここにいます。

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この想いが実行されるよう、1年9ヶ月活動してきました。
でも、一連の無罪判決が下されてしまいました。

被害を訴えるために、どれほどの勇気を奮い起こしたのか、そしてその訴えが認められなかった苦しみ、絶望を今、自分のことのように感じています。

あなたに行われたことが罪として認められない、社会でごめんなさい。
だからこそ、変化を求めて私たちは力を尽くします。

そして、加害をした人へ
例え法律が罪として認めなくても、私の中であなたたちは罪人です。罪の償いをその人生の中で果たされるように望んでいます。

 

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