9月26日(木)、認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(https://hrn.or.jp/)主催の刑法改正をお祝いするパーティーにお招きいただき、出席しました。
(提供:認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ)
開放的な空間の中、和やかでありつつも、刑法改正を成し遂げた高揚感に包まれており、みなで改正活動での喜びや苦労を分かち合いました。
プログラムの中では、刑法改正にご尽力してきた方々によるリレートークがおこなわれ、刑法改正へのそれぞれの思いを共有しあいました。
本当にみんなで成し遂げた改正だったなぁと、とても実感できる時間でした。
Springからも感謝の気持ちと今後の活動方針についてのスピーチをさせていただきました。
こちらが、今回のスピーチ全文です。
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一般社団法人Springです。
本日はこのような嬉しいパーティーにお招きいただき、感謝申し上げます。
一般社団法人Springは、2017年7月7日の創立以来、当事者団体として多くの皆様のご協力を得て刑法改正に向けた取り組みをすすめて参りました。
初代代表理事山本潤さん、次に交代しました佐藤由紀子さんを先頭に、当事者の声を立法の現場に届けてきました。
ご協力をいただきました皆様に、改めてこの場をお借りして御礼を申し上げます。
いまこの改正を成し遂げた刑法性犯罪規定については、本当に大きな成果を勝ち取れたと思っております。
Springとしては、検討会の取りまとめ報告書に、性犯罪の処罰規定の本質ということが明記されたこと、これが運動の大きな力になったと感じております。
これを旗印にして、私たちの数多くの要望書の中心に据えてきました。そして、同意のない性行為は処罰されるべきだということ、不同意性交等罪の創設にこだわってこれを強く求めてきました。
ここで特にお話ししたいのが、国会での審議において、法務省さんから数々の重要な回答を引き出せたことで、ようやく日本もノーミーンズノー型の刑法と言えるものができたということです。これはひとえに、ヒューマンライツナウさんのお力によるものです。
私たちは当事者団体として、NOと言えない被害者の実態も踏まえた条文にすることと、また加害者が故意、わざとではなかったから無罪とされてしまうという判決を出さないための、YesMeansYes型の刑法の実現を求めておりました。
一方でヒューマンライツナウさんは、少なくともノーミーンズノー型の刑法まですすめるべきだとして、暴行脅迫の程度は問わないということ、全うが困難という規定は、押しきられた場合や諦めた場合も含めるのかの明確化を求めていらっしゃいました。
私たちはヒューマンライツナウさんの要望書から多くを学ばせていただき、Springの要望書にもこの点を盛り込んで、何度も何度も行ったロビイングにて、国会審議ではこれを明確にするような質問をぜひしてほしいと与野党議員に訴えたことで、大変重要な答弁が議事録に残ることとなりました。
まさに私たちがみんなで成し遂げた刑法改正だと思っております。
附則には、YesMeansYesに向けた5年後の見直し規定、公訴時効のさらなる改正に向けた実態調査の実施が盛り込まれ、そのままこれが今後の私たちの活動指針となっています。
最後に、Springの今後の方向性についてお伝えします。
①新刑法運用の注視
②YMYに向けて海外の運用状況調査・日本への啓発
③さらなる公訴時効見直しに向けた海外の運用状況調査・日本への啓発
海外での事例調査や視察等での学びを、日本社会に還元してまいります。
また法律以外の部分の整備も、早急にすすむことを望みます。
ワンストップ支援センターの充実化も大事ですし、昔の被害に対して中長期的支援がほぼない、長く続くトラウマケの費用が自己負担という現実は、被害者が自分らしい人生を歩む上で、非常に大きな壁となっています。この点についても今後取り組んでいければと思います。
引き続き当事者団体として、被害当事者の声を国会に届けるべく頑張って参りますので、皆様のご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
刑法改正、おめでとうございます!
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パーティーの後半では、お祝いのケーキ入刀をさせていただきました。
この度は、素晴らしい企画をしていただき、ありがとうございました!
今後も被害当事者が生きやすい社会の実現に向けて、共に歩んでくださると嬉しいです。