9月19日(月)、国際協力NGOジョイセフ主催のオンライン座談会が開催され、100人近い参加の元、UPR(*1) 共同レポートを執筆した6団体の1つとしてSpringが登壇しました。
Springからは、ジェンダーに関するUPR勧告の中で成果となった刑法性犯罪規定の改正について、長年の性暴力被害当事者のたゆまぬ努力があった経緯を説明しました。
また、刑法性犯罪規定改正の勧告(*2) に含まれる公訴時効については、5年延長になり、子どもに対する性犯罪は18歳まで時効が停止となって一定の成果はあったものの、被害者がみずから受けた性犯罪を開示出来るまでに要する時間の長さを考えれば、改正内容としては不十分であること、さらに、地位関係性における性犯罪についても、運用を慎重に見て行く必要があることを示しました。
加えて、日本政府がUPR勧告を受け入れないとした「包括的性教育」については、性暴力・性犯罪を根絶していくために必要なものであることを強調し、国会議員も含めた各方面への理解促進や、各国大使館からの情報収集を強化していくことを伝えました。
UPR勧告への働きかけを通じ、性犯罪における刑法改正運動の成果が、世界から見た日本の人権課題の進展に直結していることを痛感しました。
この意義の大きさを噛み締めると同時に、性暴力・性犯罪対策の強化と被害者支援の充実の為に、国際的にみても課題が指摘されるジェンダー問題の解消が必要であることを常に意識して行きたいと思います。
JOICFPの報告では、他の団体のご発言などもご覧いただけます。
<イベントの様子が報道されました>
「私のからだは私のもの!」 SRHR実現目指し東京駅前でアクション 週刊金曜日オンライン (2023年10月6日)
*1 UPR:国連加盟国(193か国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する制度。4年半のサイクルで全ての国が審査され、日本は2023年が審査の年となります。
*2 刑法性犯罪規定改正の勧告「5-1 Revise the Penal Code to recognize `sexual intercourse without consent` as sexual crime, raise the age of consent for sexual conduct, establish a new penal provision to punish sexual intercourse or conduct committed by a perpetrator who has taken advantage of an imbalanced power relationship with the victim, and eliminate the statute of limitations for sex crimes. (刑法を改正し、「不同意性交」を性犯罪として認め、性行為の同意年齢の引き上げ、加害者が被害者との不均衡な力関係を利用して行った性行為を処罰する新しい罰則規定を設け、性犯罪の時効を撤廃する。)」