【イベント登壇】​​G7における性犯罪の公訴時効等に関するオンラインイベントに登壇しました。

2023/06/09

2023年5月18日、Be Brave Japan が主催し、一般社団法人Spring・国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン の協力で、『G7における性犯罪の公訴時効等に関するオンラインイベント』が開催されました。

サミット首脳会談に合わせて、G7各国の性犯罪に関する公訴時効の比較を通じて、日本の公訴時効のあり方を見直すことを目的として企画されました。

イベントでは大きく4つのテーマが話されました。

①G7各国の公訴時効の概要(Be Brave Japan)
②日本の公訴時効とその問題(Spring)
③公訴時効を撤廃・停止・延長した国のサバイバーによる説明
④質疑応答

③では、性犯罪の公訴時効がない イギリスとカナダのサバイバーが登壇されました。

イギリスのサバイバーは、性暴力の実態等について話され、日本と共通する点も多くありました。

 ・複数の実証的研究では、多くの被害申告は何十年もかかると示されている。(中には、調査対象者の5割が50歳を過ぎてから申告したというものも)
 ・性犯罪者は他の犯罪と違って、生涯犯罪を起こし続ける。(そのため、児童保護の観点からも時効がないと危ない)
 ・被害者の一人が声を上げると、その他の事件の証拠が出てくることも多い。
 ・加害者が他者にとって危険だから、それを防ぎ改善されていくことを目的として、民事ではなく刑事告訴する被害者が多くいる。

カナダのサバイバーは、公訴時効がないことの意義等について話されました。

 公訴時効がないことは、サバイバーに力を戻すことに繋がっている。
 罰則という限定的な正義でなく、被害者が自分のタイムラインで変容できるという正義を実現している。
 被害者が法体系に従うのではなく、癒やしや法的プロセスを被害者自らが選ぶことができるということ。

本イベントは、性犯罪の公訴時効が存在しないカナダとイギリスの事例を通じ、被害者の権利保護という視点にたった法律のあり方、司法プロセスの重要性を再認識する貴重な機会となりました。

今後も、被害者の声を反映させる仕組みや、ビクティムファーストの立場に立った社会制度の実現について、諸外国と情報交換を行っていければ幸いです。

なお、Springが発表した ②日本の公訴時効とその問題 については、 要望書で指摘している内容ですので、そちらを御覧ください。

最新情報一覧はコチラ

  • 【意見交換】警察庁の皆さまと意見交換会を行いました

    2024/11/11

    10月30日(水)、警察庁の刑事局捜査第一課及び生活安全局生活安全企画課の皆様と意見交換会を行いました。Springからは弁護士を含む5名が出席しました。  昨年の報告   前回の意見交換会から約1年が経過し、まずSpr…read more

  • 【講師活動】東京大学「性暴力被害とはなにか~刑法性犯罪の大幅改正と私たちの今~」で講演しました

    2024/10/25

    9月21日(土)午後、東京大学大学院経済学研究科松井研究室様からご依頼いただき、東京大学本郷キャンパスにて、「性暴力被害とはなにか~刑法性犯罪の大幅改正と私たちの今~」で講演をさせていただきました。 今回は、会場参加のみ…read more

  • 【講師活動】2024年度SANE養成講座で、不同意性交等罪と性暴力被害についての講義をしてきました

    2024/10/18

    認定NPO法人ゆいネット北海道からご依頼を受け、2024年7月7日に性暴力被害者診療支援看護職養成講座にて、性暴力被害についての講義を行いました。ロビイングチームを代表して1名が講師を務めました。 今年で三回目のご依頼と…read more

  • 【第7期】収支決算書・活動報告書を公開しました。

    2024/10/01

    いつもSpringの活動を応援いただきありがとうございます。 Springの第7期(2023年7月ー2024年6月)収支決算書・活動報告書を公開いたしました。   第7期 (2023年7月ー2024年6月)収支決算書(P…read more