9月は世界避妊デーが26日、国際セーフアボーションデーが28日と、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)にとって特別な月です。
同月27日(水)には、公益財団法人ジョイセフと#なんでないのプロジェクトが中心となって呼びかけられた、SRHRの実現と保証を求める初のスタンディングアクションが東京駅前の行幸通りで開催されました。Springからスタッフ2名が参加し、スピーチもしました。
日本全国のSRHRの課題解決に向けて活動する団体や個人が一同に会し、延べ130人が発言するエポックメイキングな会となり、多くの学びがありました。
Springから刑法改正に全力を尽くしてきた経緯をお伝えした時、会場の皆さまから温かい拍手を頂き、なかなかジェンダー課題が進展しない日本社会において、不同意性交等罪が被害当事者と支援者の努力によって実現した意義は、とても大きかったのだと改めて実感しました。
また、「Yes means Yes」、同意が当たり前となる社会の実現を目指していること、被害当事者は性暴力被害にあった記憶を何十年にも渡り失ってしまうこともあり、誰にも話せない時間が長期になることもあるため、公訴時効は撤廃、もしくは延長していくことが望ましいという訴えを大きく頷きながら聞いて頂きました。
2023年は、SRHRの関する様々な動きがありましたが、課題も多く残ります。
緊急避妊薬については、薬局でテスト販売されることになったものの、その件数は極めて少なくアクセスは向上していません。また、経口中絶薬が4月に厚労省で承認され、5月から一部の病院で使用できるようになりましたが、薬価および病院費用が高額であり、配偶者の同意も必要であるなど、他国に比べて制限が大きいのです。
性暴力・性犯罪の被害にあった方々の身体の健康を守るためにも、緊急避妊薬へのアクセスのしやすさや、安全な中絶が出来る環境整備は非常に重要であり、今後の動向に刮目して行きたいです。
今年、日本政府がG7議長国としてまとめたG7首脳宣言には、「包括的なSRHRにコミットする」と言及されています。スタンディングアクションの共催団体である国際協力NGOジョイセフの勝部まゆみ理事長が述べられた、「世界に向けた約束を日本国内で守り、基本的人権としてのSRHRを実現してほしい」という思いは一緒です。
包括的性教育と共に、解決していくべきSRHRの問題は多く、今後も課題解決に真摯に向き合っていきたいと思います。
当日のYoutubeライブのアーカイブが見られます。
JIOCFPの報告もご覧ください。
<アクションの様子が報道されました>
「私のからだは私のもの!」 SRHR実現目指し東京駅前でアクション 週刊金曜日オンライン (2023年10月6日)
「私のからだは私のもの!」 避妊や中絶の意識向上へ東京駅前で集会 朝日新聞デジタル(2023年9月28日)