4月9日、国連大学にて行われた、認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン主催のシンポジウム「『生成AIの子どもの権利への脅威』~ 子どもへのオンライン性搾取をなくす〜 」に出席し、関係者の皆さまと意見交換を行いました。
このイベントは、「昨今、生成AIによる子どもの性虐待画像の問題が広がりつつあり、法整備や社会の意識の向上が求められています。チャイルド・ファンド・ジャパンは、昨年8月に世論調査を実施し、多くの人々がAIの生成する子どもの性的コンテンツに対する規制を支持していることを明らかにしました。
本シンポジウムでは、オンラインにおける子どもの性的画像、生成AIの脅威に取り組むインターネット・ウォッチ・ファンデーションを招き、これらの問題へどう取り組むかを議論するとともに、社会の意識向上を目指します。」という趣旨で開催されました。
基調講演に、イギリスからスージー・ハーグリーブス氏を迎え、「生成AIによる子どもの権利への脅威(仮題)」というタイトルで、世界で起きている小児性愛者を含む多くの加害者による、生成AIを使用した子どもへの性的コンテンツの被害状況やそれを取り巻く環境・制度などについてお話しいただきました。
お話の中で特に印象的だったことは、
「加害者は、容易にSNSを利用して子どもたちの画像を手にいれることができる。そしてそれは、AIによって裸にされていること(毎日、世界中でAIによる性的コンテンツが大量に生成されている)」
「被害者は自分たちの知らないところで、性的コンテンツを生成され、加害者の餌食にされている。しかしその多くが法整備が追いついていないことから、立件が難しく、罰することができていない現状がある」
「これは、世界的に喫緊の問題である。特に日本ではこの分野の整備が遅れており、危機感を感じる」
といった内容でした。イベントでは、実際にAIが生成した画像を見たのですが、とてもクオリティが高いものばかりで、本物と見分けがつかないほどでした。
また、生成AIの規制も重要ではありますが、そもそも児童ポルノに関わる創作物の規制がイギリスは日本と比べてとても厳しいということがわかり、非常に学びの多い機会となりました。
イベント後は、ネットワーキングの時間があり、そこではこの分野に関わるNGO、NPO、英国大使館、企業の皆さまと交流ができました。その中で、ハーグリーブス氏とお話した際に「創作物に対する表現の自由について、どのように思うか」質問しました。
ハーグリーブス氏からは、
「イギリスでもそれは議論されている。しかし、私たちにとって、子どもたちを守ることが何より重要である。被害者がいる以上、それは容認できない」
とのことで、様々なお話を伺いとてもエンパワメントされる時間でした。
日本では世界に比べ、子どもに対する性加害への罰則が軽く、子どもの人権が軽視されていると言われています。
「まず、誰の権利を守るべきなのかー。」
子どもたちの人権を守ることができるのは、私たち大人であり、しっかりとこの現実と向き合いアクションを起こすことで、子どもたちの現在・未来を守っていきたいと改めて思いました。