「女性はいくらでもうそをつけますから」
9月25日に行われた会議で自民党の杉田水脈 衆議院議員が、このように発言し、性暴力を受けた被害女性が自身の被害について虚偽の申告をする可能性を示したことがいくつも報じられていることを受けて、このたびSpring代表理事 山本潤の声明を公表いたします。
また、この発言を受けて実施されている署名キャンペーンに、私たち一般社団法人Springも賛同します
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私たちSpringは性被害当事者らを中心とした団体です。
性暴力被害者はこれまでずっと
社会の無理解と偏見に苦しんできました。
被害を訴えても
そんな時間に歩いていたのが悪いと言われ
知り合いからのレイプでは合意があったので
はないかと言われ
本当のことを言っているのか
と疑われてきました。
女性はレイプされたと嘘をつく
と言う言葉は世界的に知られている
誤った思い込みのレイプ神話です。
性暴力への対策を語る場まで
「女性はいくらでも嘘をつく」
という発言は、
決して口にしてはいけない言葉であり
知らなかったとしたら
不見識の誹りを免れません。
疑いの眼差しを向けられ
信じてもらえないことが
被害を訴えることも
相談することもできない
孤立に被害者たちを追いやってきたからです。
内閣府調査でも誰にもどこにも
レイプ被害を相談できなかった人が
5割を占めます。
性被害を受けた時に
一番言って欲しいことは
「あなたのことを信じるよ」
という言葉です。
被害者を信じ、支援者を信じ
疑いの眼差しを向けないでください。
また、同じ内閣府調査で
警察に相談できた人が3.7%であることも
明らかになっています。
心身に大きなダメージを受けている
被害者は、支えられ、回復のための支援
を受けなければ、警察に行くことは困難なのです。
長時間にわたる事情聴取があります。
被害の現場を再現させられる実況見分もあります。
見たくない証拠を見て
聞きたくない情報を聞いて
言いたくない被害のことを
繰り返し話さなければいけないのです。
加害者を処罰したいという強い意志を持った人も
症状が悪化し、続けられなくなることもある
過酷な過程です。
その過程を支えるために
これまでも、女性団体や被害者支援団体などの
民間組織が、懸命に被害者に寄り添った対応を
行い、サポートを続けてきました。
警察に行くことだけでは、解決になりません。
性暴力を解決するための
正しい知識と理解を持って欲しいと思います。
杉田議員の発言については
発言の文脈もわからず、正しく理解することができませんので
議事録を公開することを求めます。
そして、レイプ神話に基づく発言や、セカンドレイプがあったのかを
調査し、適切に対応していただきたいと望んでいます。
一般社団法人Spring
代表理事 山本 潤