【お知らせ】速報:第38回東京弁護士会「人権賞」を受賞しました

2023/11/27

この度、一般社団法人Springが38回東京弁護士会「人権賞」を受賞したことが発表され、
本日、司法記者クラブにて記者会見が行われ出席いたしましたのでご報告いたします。

記者会見の写真(左から二番目がSpringの早乙女 祥子共同代表)

この度、大変光栄なことに東京弁護士会様の「人権賞」を受賞することができました。

この賞は、当団体だけではなく、この刑法改正活動に関わったすべての人々に捧げるものであり、今日はその喜びと共に、性被害当事者の置かれた状況や今後の取り組みについてお伝えしました。

一般社団法人Springは、2017年にあった110年ぶりの刑法改正をきっかけに、任意団体を日本で初めて法人化した性被害当事者を中心としたアドボカシー団体です。

私たちの願いは、「性暴力被害当事者の実態に即した刑法にしてほしい」ということです。

そのために、性被害にあう人々の実態をなんら考慮せず、被害者に不可能を強いている刑法の規定を改正すべく、主に政策提言とソーシャルアクションを中心とした活動をしてきました。
そして、6年間にわたる地道な取り組みの結果、2023年に2度目の大幅な刑法改正が実現し、不同意性交等罪の創設や性的同意年齢の引き上げを含むいくつかの大きな成果を得ることができました。
これにより「同意のない性行為をしてはいけない」という、大きなメッセージが社会に示されました。

私たち、性被害当事者は、ずっと社会から「いなかったことにされてきた存在」です。
これまでずっと、声を封じられてきました。
私たちは加害者に物として扱われ、「声をあげるな」「誰にも言うな」と脅されました。
突然の出来事にフリーズし、恐怖と絶望で、されるがままになりました。
その後、被害をなんとか打ち明けたとき、「あなたも悪い」と責められ、「過去のことは忘れるように」と言われ、「話してはいけないこと」だと思わされました。
そして、刑法では、「あなたは同意してなかったかもしれないが、抵抗できるのにしなかった、だから加害者に罪はない」と宣告されました。その宣告により自ら命を絶った被害者、後遺症などで現在も生きるのに精一杯の被害者が多くいます。

しかし、そのような状況の中で、被害当事者の声が国を動かし法改正を実現したという事実は、私たちを非常に勇気づける大きな機会となりました。
私たち一人一人の声は小さくとも、それが集まればやがて大きな力となり、社会を変えることができるのだと、証明したのです。

Springでは、今まで“なかったこと”にされてきた被害当事者の声にこそ、社会を変える力があると考えています。でも、その声を直接、影響力を持つ意思決定者に届けなければ法律を変えることはできません。
今なぜ、刑法を変えなければいけないのか。そのためにどんなアプローチをするか、戦略的に考え活動し続けました。

今回、刑法改正が実現したことは大変喜ばしいことですが、まだ解決すべき課題は残っています。

例えば、
・Yes Means Yes型の刑法の実現を阻む「性的同意」という概念が社会通念として浸透していない日本の現状
・性暴力被害の性質を考慮していない公訴時効の短さ
・被害者にも非があったという当事者を責める風潮
・不十分なトラウマケアなどの被害者支援制度
・性教育・啓発活動の重要性 など

私たちが直面する課題は多岐にわたります。

これらを解決するためにも、新刑法の運用を注視するとともに、附則でついた5年後の見直しに向け、海外事例の調査や視察などを通し、声を封じられてきた実態をさらに示し、今後も議員や関係省庁の皆さまへ情報提供や法改正の必要性を訴えてまいります。

今も、被害を受けている方や、誰にもその事実を打ち明けることができない方、沈黙を強いられている方々が、全国に数多く存在しています。それは、社会的な偏見や恐怖、加害者からの圧力など、さまざまな要因によって引き起こされるものです。被害者の暗数が多いというこの現実を強調し、認識をすることも極めて重要です。

最後に、今回、東京弁護士会様が被害者団体に「人権賞」を授与されたことは非常に社会的インパクトがあることだと考えております。
「人権賞」の受賞は、私たちの活動が評価された一つの指標ではありますが、これは刑法改正活動に関わったすべての方々が受賞した賞だと言えます。犠牲を払って声を上げてきた多くの被害当事者やそれを支えてきた支援者、私たちの活動に賛同し支えてくださった皆様のおかげで、このような成果を得ることができました。

これからも、性暴力被害当事者の声が封じられない生きやすい社会の実現を目指し、私たちは当事者の声を、社会や政策の意思決定者に届け続けることに尽力いたします。

来年1月には表彰式がありますので、続報もお待ち下さい。

みなさま、今後ともご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。

受賞理由はこちらからお読みいいただけます

 

〈記者会見の様子が報道されました〉

「Spring」に人権賞 性犯罪規定改正で東京弁護士会 (共同通信)2023/11/27

最新情報一覧はコチラ

  • 【ロビイング】2024年4月のご報告

    2024/05/31

    今月は7名の議員の皆さまとお会いすることができました! 現在の主なご面談内容は、昨年の刑法改正における修正協議によって「施行後5年後の見直し」「そのために必要な調査を行うこと」が附則に明記されたことをうけ、見直しのために…read more

  • 【ヒアリング】立憲民主党子ども政策部門会議のヒアリングに出席しました

    2024/05/29

    5月14日、立憲民主党子ども政策部門会議のヒアリングに出席しました。参加者は、理事の寺町東子弁護士とロビイングチームスタッフ3名、そして日本版DBS法案に関して合同で要望書を提出したBeBraveJapanの石田郁子さん…read more

  • 【イベント参加】シンポジウム『生成AIの子どもの権利への脅威』に出席しました

    2024/05/17

    4月9日、国連大学にて行われた、認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン主催のシンポジウム「『生成AIの子どもの権利への脅威』~ 子どもへのオンライン性搾取をなくす〜 」に出席し、関係者の皆さまと意見交換を行いました…read more

  • 【参考人招致とメディア掲載】日本版DBS法案の審議で参考人として意見陳述しました

    2024/05/17

    5月9日から地域・こども・デジタル特別委員会にて、いわゆる「日本版DBS法案」に関する審議が衆議院で始まっています。日本版DBS法案に関するSpringの取り組みはこちら 5月16日には、Spring理事の寺町東子(弁護…read more