2023年2月24日、法務省が「強制性交罪」を「不同意性交罪」に罪名を変更する方針との報道がなされました。
その目的は、性犯罪の処罰規定の本質である、「同意のない性行為は処罰対象となる」ことを明確に示すため、とのことです。
私たち一般社団法人Springは、この方針に対し、大きな歓迎と感謝の意を表明し、以下に見解を示します。
「同意のない性行為」が処罰される社会が一日も早く実現することを期待して、私たちはこの改正要綱案、「不同意性交罪」が、今国会で成立することを求めます。
今後とも刑法改正の議論を注視しながら、Springのご支援・応援をいただけますよう、何卒お願い申し上げます。
<罪名変更に関する報道>
強制性交罪を「不同意性交罪」に改称 刑法改正案、被害者に配慮 毎日新聞(2023/2/24)
「強制性交罪」を 「不同意性交罪」に変更へ 法務省が法案提出方針 テレ朝news(2023/2/24)
「強制性交罪」→「不同意性交罪」に名称変更へ 法務省、刑法改正案 朝日新聞デジタル(2023/2/24)
強制性交罪を「不同意性交罪」に罪名変更へ…「同意なしは処罰対象」を明確化 読売新聞オンライン(2023/2/24)
強制性交罪を「不同意性交罪」に名称変更 刑法改正案 日本経済新聞(2023/2/24)
刑法「強制性交罪」を「不同意性交罪」へ変更する案 法務省 NHKニュースWEB(2023/2/24)
「強制性交罪」を「不同意性交罪」へ 法務省が自民党部会で方針示す TBSニュース(2023/2/24)
主張 不同意性交等罪 被害当事者らの声が動かした しんぶん赤旗(2023/2/27)
「不同意性交罪」に変更、法務省 刑法改正案、被害者側要望踏まえ 共同通信(2023/2/24)
「不同意性交罪」に名称変更 刑法改正案、強制性交罪から 時事ドットコムニュース(2023/2/24)
<法務大臣への答申に関する報道>
強制性交罪の構成要件など見直し 刑法改正の要綱 法相に答申 NHKニュースWEB(2023/02/17)
「性交同意年齢」16歳に引き上げ 法制審、性犯罪要件見直し 産経新聞(2023/02/17)
性的盗撮に「撮影罪」…性犯罪規定見直し、強制性交罪などの成立要件拡大も 読売新聞オンライン(2023/02/18)
性犯罪、規定の見直し答申 戸籍の読み仮名も 法制審 朝日新聞デジタル(2023/02/18)
性犯罪規定見直し、法制審が答申 3月に法案提出へ 日本経済新聞(2023/02/17)
性犯罪の刑法大幅見直しへ 法制審議会が斎藤法務大臣に要綱を答申 TBSニュース(2023/02/17)
性犯罪の成立要件明確化 キラキラネームに制約―法制審答申 時事ドットコムニュース(2023/02/17)
被害者の声で社会認識に変化 性犯罪要件見直し、短期間で再改正へ 毎日新聞(2023/02/17)
法制審議会が性犯罪規定改正の要綱を答申 共同通信(2023/02/17)
「暴行・脅迫」要件改正へ 法制審 性犯罪規定見直しを答申 しんぶん赤旗(2023/02/18)
※性犯罪規定において、「内心のみを成立要件にする」ことを私たちは求めていません。
報道では、被害者側が「不同意性交罪」の創設を求めたことに対し、「内心のみを成立要件にすると処罰対象が曖昧になる」との反論も出た、との説明がありました。
私たちは、「内心のみを成立要件にする」ことは求めていません。
今回の要綱案に記載の例示列挙事由8項目は、「同意しない意思」の徴表としての8項目とされています。すなわち、8項目の行為・状況により「同意しない意思の形成・表明・全うが困難」であることを立証すると性犯罪が成立します。
そのため、8項目の存在が立証できなければ、犯罪不成立であり、被害者の内心だけの問題になるという評価は間違いとなります。
同意のない性的行為こそが性犯罪処罰規定の本質です。その本質を現した文言が「同意しない意思」であり、今回の要綱案は「不同意性交罪」と評価しうると私たちは考えています。