私たちはSpring設立当初から、性暴力被害や被害者支援に対して先進的な取り組みを行なっているイギリス、スウェーデンなどの考え方を学び、国際的な視点も視野に入れた活動を行なってきました。
昨年の今頃に公開した 私たちが国際的な活動をしている理由~性的同意とイスタンブール条約~もぜひご覧ください。それ以降の主な活動は以下の通りです。
2023年3月
駐日英国大使館主催 観桜会に出席しました
2023年5月
駐日英国大使館主催 国王王妃両陛下戴冠記念祝賀会に出席しました
G7における性犯罪の公訴時効等に関するオンラインイベントに登壇しました
公益財団法人ジョイセフ主催 女性の健康のためのアクション国際デー 緊急院内勉強会に参加しました
2023年6月
駐日英国大使館 領事部の皆さまとご面談しました
G7ジェンダー平等担当大臣と市民社会の対話に参加しました
2023年9月
ジョイセフ主催「なんて答えた日本政府!? UPR採択について語る、市民社会座談会」に登壇しました
SRHRスタンディングアクションに参加しました
2023年12月
駐日英国大使館主催 クリスマス・レセプション に出席しました
この国際的な視点に共通しているのは「人権」の視点です。
性的自己決定権や性的尊厳が、普遍的な「人権」であるという前提に立っています。
人権について
人権とは、すべての人が生まれながらにして持っている、人間らしい生活を送るために最低限必要な権利、と言われています。
1948年に国連で採択された世界人権宣言は、人権および自由を尊重し確保するために「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」を宣言しており、これ以降、様々な規約や条約によって、国際的に人権を守るための協力が行われています。
規約・条約などの締結国(批准・加入国)には、そこに掲げられた権利を「尊重(侵害しないこと)」・「保護(他者の侵害から守る)」・「充足(守られる条件を整える)」する義務があるとされます。
UPRについて
国連の人権理事会は、国連加盟国に対して、国連憲章や世界人権宣言、当該国が批准している人権条約などに照らし合わせながら、状況改善のための勧告を定期的に行っており、これを「普遍的定期的審査:Universal Periodic Review (以下、UPR)」と言います。(※1)
人権理事会ではUPR勧告の前に、審査対象国の人権状況について市民団体から簡潔な報告を受けるブリーフィングという機会を設けています。(※1)
2023年は日本が審査を受ける年であったこともあり、特に国際協力NGOジョイセフ様を中心としたSRHR関連団体の皆様と協力しながら、刑法性犯罪規定を含むSRHRに関する日本の状況についての報告を行ったり、政府の回答についての対話を行ったりと、UPRに関係する活動にも力を入れました。
日本の被審査状況などについてはジョイセフ様が 詳しいレポートを公開されていますので御覧ください。
国際的な基準に照らして日本の状況改善のための勧告が行われるということは、世界の人権状況の改善は日本の人権状況の改善につながるということですから、世界で人権を守るために活動しているあらゆる立場の人々と、性暴力被害者が生きやすい日本社会実現のために協力していくことができると期待しています。
Springが毎月2回発行しているメルマガ「すぷだより」でも、2018年の開始当時から、「海外ニュース」として世界各国の刑法や被害者支援、それを被害実態に沿ったものにするためのムーブメント、#MeToo運動などについて紹介しています。ぜひ購読&注視してください。
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<参考資料>
※1 藤田早苗(2022) 『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』集英社新書